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デスクトレーの地味な進化~ちょっとのワイドで大違い~

文房具

デスクトレーはちょっとの違いで格段に便利になる(イラスト/ヨシムラマリ)
  • デスクトレーはちょっとの違いで格段に便利になる(イラスト/ヨシムラマリ)
  • デスクトレーA4ワイド(茶)他に、B5ワイド・A3ワイドもある
  • デスクトレーA4ワイド(黒)他に、B5ワイド・A3ワイドもある
  • A4ワイドサイズなら角2封筒もすっぽり入る
  • A4ワイドサイズなら個別フォルダーもはみ出さない
  • あの入らないイライラもなくなる
 世間は文房具ブームである。

 売り場はどこもにぎわっているし、雑誌やテレビ、インターネットでも、たくさんの情報を手にすることができる。

 いち文房具好きとしては大変喜ばしい状況だ。しかし、どうしても注目されるのは新製品になりがち。もちろん私も新製品は大好きだ。「今までにない機能!」「従来比◯倍!」と聞けば、テンションも上がる一方である。でもでも!そんな華々しい表舞台からは一歩引いて、地味に進化している商品もあるのだ。そこで、あえて縁の下の力持ち的な定番品にスポットを当て、低いテンションのまま、静かな興奮を味わってやろうというのが、このコラムの趣旨である。

◆誰もが一度は使ったことのあるアノ定番文具

 今回取り上げるのは、「デスクトレー」。デスクトレーといえば、学校で、職場で、決裁用の書類を一時保管したり、申請書を集めたりする、あの箱だ。もしかすると、道具入れとして使っていた人もいるかもしれない。きっと誰もが、一度は見たことがあるだろう。

 この定番品の代表ともいえるデスクトレー、普通すぎて意外と気付かれない、ちょっと困った問題があったのをご存知だろうか?実は、なんと、「A4サイズのデスクトレーには、A4サイズの紙しか入らない」のである!

……あれ?「何をあたりまえのことを」と思われました?でも、ちょっと待って!よくよく思い出してみてほしい。A4サイズの申請書は、回収するときに何に入っているか?そう、封筒だ。A4の紙が折らずに入る封筒は、角型2号。そして当然ながら、A4が入る封筒はA4よりも大きい。となると……もうおわかりだろう、角型2号の封筒は、A4のデスクトレーからはみ出してしまうのである。

 そういえば、とよみがえる記憶。先生に言われて持ってきた提出書類、封筒のままだと職員室の箱に入らなくて。斜めになってフタがしまらないから、なんとか端っこを折って押し込んでいた。実はそんな苦労をしたのは、あなただけではない。コクヨの独自調査によると、63%の人は同じ理由で唇をかんでいたのである。

◆デスクトレーを使いやすくする「地味な工夫」とは?

 では、あのイライラを味わわないためにはどうするか。

 答えはカンタンだ。デスクトレーを、ちょっとばかり大きくしてやればいいのである。何をかくそう、それがコクヨの「デスクトレー A4ワイド」なのだ!

 え?それだけ?と思う方もいるだろう。しかし、そのカンタンなことに今まで誰も目を向けなかったから、日本全国で端がくちゃくちゃになった封筒が数知れず誕生してきたのだ。そんなくちゃくちゃにも、心を痛めるメーカーの開発者が現れ、デスクトレーを大きくしよう!と決意した。しかし決意だけでは何も実現しない。繰り返し行われる社内会議、製造・流通工程の見直しなど、いくつもの困難を乗り越えた結果として、少し大きいデスクトレーが商品化したのだ。店頭にひっそりと並ぶ文房具ひとつひとつに、小さなドラマがある。

 A4ワイドサイズが嬉しいのは角2封筒ばかりではない。アンケートなどによく使うクリップボードや、リングファイル、個別フォルダーに挟んだ書類もピタッと納まるのだ。しかも心憎いことに、収納用品であるデスクトレー自体の収納も考えられている。ワイドになっても、一般的な900ミリ幅の収納庫に3個がぴったり並ぶように計算されているのだ。フタがあるので、重ねて置くことも可能だ。

 「ほんの少し寸法を広げる」という地味な工夫だが、それだけで「封筒が入らない」「クリップボードが入らない」と気づかないうちに感じていたイライラから解放されるのだ。デスクトレーがひとまわり大きくなるだけで、ストレスが減り、リラックス効果が高まり、夜はよく眠れるようになり、結果として身長が伸び、美肌効果も……とまではいかなくとも、書類がスッキリと片付く気持ちよさは無視できない。これも立派な進化と言えるのではないだろうか。

 はじめて見る新製品にもわくわくするけれど、見慣れたはずの商品に、使う人の立場にそっとよりそうような、さりげない工夫を発見するのも楽しい。なので、もし新製品を求めに文房具店に足を運ぶことがあるならば、ついでに定番品の棚もチェックして欲しいのである。華々しい興奮はないかもしれないが、人知れず地味な商品に地味な改良を加え続ける、文房具メーカーの影の努力に、きっと静かに感動できるはずだから。

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ヨシムラマリ
1983年生まれ、神奈川県出身。会社員として働くかたわら、イラスト制作を手がける。日常の「あっ」という瞬間をイラストと文章で切り取るブログ「コロメガネ」を運営。また、文房具マニアとしてワークショップ、イベントでも活動中。
《ヨシムラマリ》

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