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ありそうでなかった「ソフトリングノート」…3年間の不満解決への挑戦

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ソフトリングノート
  • ソフトリングノート
  • お話を伺ったコクヨS&Tの宮西純子さん(左)と上田敬人さん(右)
  • ソフトリングノート(ドット入り罫線)
  • リング部はオレフィン系樹脂を使っておりプニプニとやわらかい
  • ユーザーアンケートでは「リングが手に当たって書きづらい」「リング部分がかさばる」「端(とじ部周辺)まで有効活用できない」という不満があげられた
  • ソフトリングノートはリング部を気にせず書くことができる
  • ソフトリングは材質だけでなく形状にもこだわっている
 2015年3月に発売されたコクヨの「ソフトリングノート」。今年の日本文具大賞デザイン部門優秀賞にも輝いたこの商品は、リングノートを使う際に多くの人が感じる「書くときにリングが手にあたる」という不満を見事に解決した、今までありそうでなかったノートです。そのソフトリングノートを手がけたコクヨS&Tの宮西純子さんと上田敬人さんにお話を伺いました。

◆3年の年月を費やした、解決されてこなかった不満への挑戦

--ソフトリングノートを使ってみると優しい感触で、違和感なく手がリングを乗り越えていきますね。

宮西さん:コクヨ独自開発のオレフィン系樹脂を使ったプニプニとしたやわらかいリングが、手にあたると変形するのでリングを気にせずに書くことができます。

--開発に至ったきっかけを教えてください。

宮西さん:そもそもリングノートは、折り返して使えることが魅力であり、リング部分が固いからこそ折り返しやすい製品です。一方で、多くのお客様が「リング部分が手に当たって書きづらい」という不満を感じていることは以前から把握していました。すでに顕在化していたニーズにもかかわらず解決できていなかった理由は、技術的な課題が大きかったからです。通常ノートの開発期間は、発案から発売まで約1年ほどですが、今回はトータルで約3年の年月を費やしました。

--「リングをやわらかくする」という発想は当初からありましたか?

宮西さん:どちらかというと初期段階では、リングの数を減らしたりサイズを小さくしたりと、素材を含む幅広い切り口で数えきれないほどの試作を繰り返しました。たとえば、布製のリングはやわらかくて邪魔にならない反面、何度も回転させて使用するには耐久性が低く、リング形状が維持できないためノートの開閉が困難。また、リングを細くすると弱そうだと感じる人が多く、「従来品より痛そう」という声もありました。そんな中で手応えを感じたのが、軟質の合成樹脂(プラスチック)でした。この第1号の試作品を携え、モニター調査に踏み切りました。

--モニター調査の反応はいかがでしたか?

宮西さん:とにかくやわらかさを重視したこともあって、新鮮さや驚きは感じていただけました。ところが、「ページをめくりにくい」というお声も多いという結果になってしまったのです。しかし、このモニター調査が、素材選びの大きなヒントになりました。

--なるほど。やわらかくて邪魔にはならないが、開閉しづらいと。その後、どのような点を改良していったのですか?

宮西さん:リングの固さを段階的に調整しながら、やわらかさと耐久性、開閉のしやすさを兼ね備えたベストな素材・形状を追求しました。そうして完成したのが、2つ目の試作品です。リングノートのメインターゲットである社会人のユーザーに再度モニター調査を実施しました。ソフトリングノートを実際に使用した方の約9割から金属リングノートより「ソフトリングノートの方がよい」という支持をいただけたのです。この評価を最大の自信として、商品化に向かっていくことができました。
《inspi編集部》

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