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「書く」より前に「よく見える」~ホワイトボードマーカーの地味な進化~

文房具

「書く」より前に「よく見える」ヨクミエール
  • 「書く」より前に「よく見える」ヨクミエール
  • 透明なボディからインクの残量がひと目で確認できる
  • カートリッジ内側にインクをはじく特殊な加工がしてある
  • インクがなくなったらカートリッジを交換
  • ペン先も交換可能
  • 濃くてはっきり見えるインクを採用
  • ペン先の太さは4種類。カラーも黒・赤・青・緑の4色展開
  • 会議室で見かけるこの分類箱もヨクミエールがあれば不要だ
 画期的な新機能や華々しさはないけれど、地味に進化している定番文具についてじっくり語るこのコラム。好評だった初回の「デスクトレー」に続き、今回は誰しも一度は腹を立てたことがあるだろう、あの筆記具に注目したい。

◆「良い文房具」の条件とは?

 突然だが、「良い文房具」の条件とはなんだろう。機能?見た目?それもあるけれど、私は「良さに気づかれにくい」というのも、ひとつの回答ではないかと思う。

 そもそも我々は、ものごとが思いどおりに進んでいるうちはそれを意識しないものである。鉄道を例にとってみよう。なんらかの理由で電車が遅れると、たいていの人はストレスを感じる。日本では電車が時間どおりに来るのが「あたりまえ」だからだ。それを前提に行動を計画しているわけだから、期待と異なる結果が生じることはストレスである。一方で、電車が時刻表どおりに運行されている平常時の素晴らしさは、あまり人々の意識にのぼることはない。

 このように、道具やシステムが期待したとおりに機能すること、すなわち「ひっかかり」がない、ということは、そのすごさが価値として気づかれにくい。そして私は、この「ひっかかりのなさ」こそ、良い文房具にとって大変に重要なことではないか、と思うのである。

◆書きたいときに限って書けないホワイトボードマーカー

 文房具におけるひっかかりの中でも、ことさら腹立たしいもののひとつに、「ホワイトボードマーカーが書けない」というのがある。

 考えてみて欲しい。ホワイトボードマーカーは会議や打合せなど、自分以外の誰かと席を共にしているときに使うことが多い。議論が白熱する中、あなたは大変重要な点に気がついた。がんばって説明するが、口だけではなかなか伝わらない。

 もどかしさに立ち上がり、ホワイトボードの前に移動する。論点を頭の中で整理しながら、はやる気持ちでマーカーを取り上げ、キャップを外す。背中に集中する他の出席者の視線。手をボードにあて、ぐっと最初の一文字を…書けない。インクが切れているのだ(もう!なんで書けないマーカーが置いてあるのよ!)。あわてて別のマーカーを手に取る。だが、これも書けない。

 そうこうするうちに、会議室には白けた空気が漂い、せっかく思いついた内容も半分は忘れている。ここまでくれば、どんなにがまん強い人でも、書けないマーカーを窓からぶん投げてやりたい気持ちになるだろう。私なら、最初に書けなかった時点でぶん投げている。

 こんなときに必要なのは、いまだかつてない新機能でも、美しくかっこいいデザインでもない。ただ「書ける」こと。それだけである。書きたいと思ったときに、あたりまえに書ける。それが「良いホワイトボードマーカー」というものだ。

◆「ヨクミエール」ならよく見える!

 では、どうするか。「永遠に書けるようにする!」と言いたいところだが、残念ながらマーカーは消耗品なので、いずれは書けなくなってしまう。そこで、手にした瞬間に書けるか書けないかを判別できるようにしよう、という考えのもとに作られたのが、コクヨのホワイトボードマーカー「ヨクミエール」である。

 ヨクミエールは直液カートリッジ式になっており、透明なボディからインクの残量がひと目で確認できるようになっている。とはいえ、残量確認ができることをウリにした直液式のホワイトボードマーカーやペン自体はそれほどめずらしいものではない。それなのに、あえてヨクミエールと名乗るほど、いったいなにがヨクミエールのか?

 実はこれ、カートリッジの「内側」にインクをはじく特殊な表面加工が施されていて、すこし傾けるだけで中のインクがツルンツルンと小気味よく動くのだ。内壁のインクが流れ落ちるのを待たずとも、どれぐらいインクが残っているのか、つまり書けるか書けないかが手に取った瞬間にわかる。外側に汚れがつきにくい加工をすることはあっても、それを内側に応用するとは、ちょっとした発想の転換である。

 インクの色も濃くクッキリとしており、書いた字が遠くの席の人からもよく見える、という意味も商品名には込められているらしい。カートリッジは直液式でありつつ、ペン先側に入った中綿が流量を調節してくれるので、インクが出過ぎるということもない。

 カートリッジとペン先がそれぞれ交換式なのも経済的だ。替えペン先は、誰でも簡単に手や周囲を汚さず取り替え作業ができるよう、専用器具と一緒にパッケージされているのもポイントが高い。

 文房具は仕事を助けるものでこそあれ、仕事のリズムを乱す「ひっかかり」になってはいけない、と思う。もし会議や打合せの多い職種なら、信頼して使える「マイマーカー」の携帯を習慣にしても決して損はないだろう。ポケットからマイマーカーをサッと取り出して書きはじめれば、書けなかったときとは違った意味の注目を浴びるかもしれないが、それはまた私のあずかり知らぬ話である。

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ヨシムラマリ
1983年生まれ、神奈川県出身。会社員として働くかたわら、イラスト制作を手がける。日常の「あっ」という瞬間をイラストと文章で切り取るブログ「コロメガネ」を運営。また、文房具マニアとしてワークショップ、イベントでも活動中。
《ヨシムラマリ》

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