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資生堂の調香師 中村靖子さんに聞く、子ども向け「香りのワークブック」ができるまで

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資生堂の調香師 中村靖子さん
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 コクヨが販売する子ども向けの香りの絵本「香りのワークブック」。香りについて学びながら、本格的な調香体験ができる本商品は、資生堂とのコラボレーションから生まれました。

 香りの歴史や調香師という仕事、調香レシピを紹介する「香りのノートブック」と、調香体験ができる7種の香りペーストは、資生堂の調香師である中村靖子さんの監修のもと制作されました。今回は、中村さんに商品開発の経緯や調香師という仕事について伺いました。

◆調香師という仕事

--まずは、調香師としての中村さんの普段のお仕事についてお聞かせください。

 香水をはじめ、クリームや化粧水などの化粧品、あとはメイクアップ商品などの香りを作る仕事をしています。化粧品以外では、ルームフレグランスやキャンドル、入浴剤などの商品の香りの開発もしています。それぞれの商品企画担当者が考えるテーマやコンセプトに合った香りを作っていくのですが、実際に香りを言葉で表現するのはとても難しいです。香りそのものを表す言葉はそんなに多くはないので、「甘い」や「スパイシー」といった味覚の表現や、「白っぽい」、「赤っぽい」といった色を表現する言葉で説明することがあります。そして、ある程度イメージが固まった段階で香り見本を作り、実際に香りを嗅いでもらい、擦り合わせをしていきます。そして、商品企画担当者との調整後は、お客さまの感覚でのテストとして、たくさんモニターの方々にも確認してもらい、香りの完成を目指します。

 実際に香りを作るときの例をあげると、10代の若いお客さまを対象にした「マジョリカマジョルカ」というブランドの「マジョロマンティカ」というフレグランスは、商品企画担当者が提示したイメージが「滴る魔女の血」というものでした。まるで魔法の媚薬のように、心が騒ぐ香りをフレグランスとして作ってほしいというリクエストです。私たちは、どのようにフレグランスにするのかを考えなければならないのですが、容器開発の担当者は、赤いボトルのパッケージを考え、中味を作る担当者は液体ではなく、血のような絶妙なとろみがある中味を用意しました。そして私たち香りの担当者は、血の色、鉄の匂いを再現するのではなく、考えを転換して、いままで若い方達に提案していた香りとは違う、もっと深い甘さをテーマに、媚薬を煮詰めたようなとろりとした感じとリンクさせた香りを作ろうと考えました。トンカビーンズやバニラの香りを、通常とは異なる配合をすることで、可愛らしい魔女の血というイメージの香りを表現してみました。

--香料はどういったところに保管されているんですか?

 天然香料や原料香料、ある程度混ざり合った調香香料、あとは合成香料とか、天然からある成分だけを抽出した香料などいろんなかたちの香料があり、それらは一定温度に保たれた光が当たらない特別な保管室で管理されています。液体や、個体、ペースト状のもあれば粉末状のものなど、いろんな形状がありますね。調合の作業は専用の部屋で行います。一滴や半滴など、精密に測りながら混ぜ合わせていきます。ほんの少量でもすごくパワフルな香りというものもありますし、たくさん入れてもそんなに影響しない香りもあります。

--調香師の方は、どのくらいの香りの種類を把握されてるんでしょうか?

 調香によく使う香りは400~500種類くらいですが、調香師たちは数千種類の香料を頭の中でイメージして仕事をしていると思います。シトラスにも様々なシトラスがあって、産地によっても違いますし、ローズは気候風土の影響を受け、採れた年によって微妙に香りが異なります。香料バラの場合は、香りで産地もわかりますね。

--普段はお仕事以外でフレグランスなど使用されていますか?

 私自身はプライベートでも香りを楽しみたいのですが、仕事で香りを評価するために無臭状態にしておかなくてはいけないので、ほとんどフレグランスをつけることがありません。香りを楽しみたくて調香師になったのに、自分ではつけられないというので、最初は少し落ち込みました(笑)。

「香りのワークブックができるまで」へ
《堀合俊博》

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