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コクヨと紙と100年のこだわり

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コクヨと紙と100年のこだわり
  • コクヨと紙と100年のこだわり
  • 鮮やかな色の見返し
  • 小口デザイン
  • 上質な書き心地
  • 便箋・封筒のセット
 本日、12月16日は「紙の記念日」。1875年に東京の抄紙会社(後の王子製紙株式会社)の工場で営業運転が開始されたことに由来する。

 紙といえば、文房具とは切っても切れない関係だ。そしてコクヨと紙には、100年に渡る深い関わりがある。

 コクヨの前身である「黒田表紙店」が創業したのが明治38年(1905年)。初めは和帳(和式帳簿)の表紙作りからスタートし、和帳そのものの製造を始めたのが3年後の明治41年(1908年)。当時徐々に広まりつつあったペン書きに対応した紙を使うなど、先発していた他社製品に「紙へのこだわり」という点から立ち向かった。

 世の中は、広く西洋化が浸透しつつあった時代。しかし、そんな時代にあっても企業の多くは長く使い慣れた伝統的な和帳を使い続けていた。いずれ洋式帳簿が主流になると見込んだ創業者の黒田善太郎は、大正2年(1913年)に洋式帳簿の既製品化を開始した。

 当時の帳簿紙は全てイギリスからの輸入品だった。ところが、大正3年(1914年)に第一次世界大戦が勃発し国際情勢が不安定になると、用紙の供給も厳しい状況に陥った。帳簿紙の国産化が急務とされる中、当時従業員数60名ほどの町工場に過ぎなかったコクヨ(当時の店名は「黒田国光堂」)は、最新の設備と技術を誇る巨大企業・王子製紙株式会社に交渉。その熱意が伝わり、日本初となる国産帳簿紙の共同開発を始める。そして数多の試行錯誤を経た昭和5年(1930年)、「コクヨ帳簿用紙」を完成させる。

 昭和7年には便箋「色紙付書翰箋」を発売、大ヒットを記録する。ユーザーの利便性と製品の安定供給を考え、採算が合わないとされていた便箋専用紙を開発したこと、切り離し保存が可能で、印刷にとことんこだわった一流絵画の色紙を付けたことが要因だった。

 第二次世界大戦を経た昭和23年(1948年)、帳簿綴機を導入し、製本作業を手綴から機械綴に移行する。昭和29年(1954年)には帳簿工場を新設。その後もコクヨは、現在の「書翰箋」にあたる実用便箋や青色申告用簡易帳簿など、紙の質にこだわった製品を続々と発売してきた。

 100年前に始まった紙へのこだわりは、今も続いている。その精神を現したのが「装丁ノート〈RECORD BOOK Century Edition〉」と「便箋・封筒〈GIFT LETTER〉」だ。

 「装丁ノート」は、かつての洋式帳簿に使われた用紙の技術をそのままに、2013年に発売された。表紙はアールデコ調でレトロなデザインだが、材質には耐久性のある特殊エンボス紙を採用。ノートの命とも言うべき中紙を守る。小口には、洋式帳簿に施されていたマーブルを彷彿とさせる模様をあしらっている。ちなみに小口の模様には洋式帳簿の時代、改ざんや抜き取りを防止する役割があった。表紙を捲ると鮮やかな色の見返しが現れる。まるで書籍のように豪華な作りだ。

 中紙は、上質な書き心地を実現している。万年筆やボールペンで鮮明に書くことができ、滲みや裏写りの心配も少ない。適度な滑らかさを持つ紙なので、鉛筆やシャープペンシルでの筆記にも適している。更に、筆圧による凹凸が付きにくく、消し跡も残りづらい。長期保存に適した中性紙を使用しているため、優れた保存性を誇る。

 一方の「便箋・封筒」では、表紙デザインには銀箔で控えめに上質を表現。便箋の中紙罫は落ち着いた銀色で、慶弔いずれにも利用できる。また、封筒の内側には繊細な模様をデザインした内紙が入っており、手紙を贈られた方にも上質感を伝える。改まった手書きの手紙で、大切な想いを「伝え残す」シーンに最適な一式となっている。

 「装丁ノート」「便箋・封筒」共に、値段も質も、同種の他の製品とは少し違う。気を引き締める意味でも“歴史の重み”が感じられる文具で新たな年をスタートしてみてはいかがだろうか。また、これからの季節、贈り物としても最適だ。

東十条王子
鉛筆シャープの書き心地に夢中です。落書きばかりしています。文房具に関する知識はまだまだなので、勉強していきたいと思います。ちなみに名前は駅名です。どこかの王族ではありません。

《東十条王子》

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