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夜開き、そして夢をかなえる文具店「ぷんぷく堂」

ピックアップ

最初のオリジナル商品「半分鉛筆」を持つ櫻井さん。
  • 最初のオリジナル商品「半分鉛筆」を持つ櫻井さん。
  • 赤い扉が印象的なぷんぷく堂。トンボ鉛筆の自転車がトレードマーク。
  • 文房具を売り始めるきっかけになった「yacht」鉛筆。今はみかけることがないレトロでおしゃれな鉛筆。
  • 創業のきっかけになった鉛筆がいまもたくさん並んでいるのが象徴的。
  • 「競馬新聞の紙で作ったレポート用紙」には、「12/25有馬記念」など競馬新聞ならではの試し書きが。 
  • その名も『半分鉛筆』 そのまんまのネーミングです。
  • 「過保護袋」はジーパンのタグ素材で作られているので、過保護なくらい頑丈。
  • 「スキマメモ」の表紙のスタンプは手押しなので、一つ一つが微妙に違う味がある。
 「文具への興味は人並みだったんですよね。」巷で噂の夜開く文具店の店主・櫻井有紀さんは文具店を始めた理由を問うと、意外にもそう答えられました。

 いつかお店を開きたいという夢を5年前に実現したとお聞きしたので、さぞ文具が大好きなのだろうと思いきや、さらりと冒頭のお言葉。いろんな疑問が湧いてくる、いろいろ気になる点が多い文具店。「夕方5時からユルく開けてる文具店。」という非常識なキャッチフレーズで話題になっているお店に取材をして、その人気の秘密を探って参りました。

ぷんぷく堂
(写真: 赤い扉が印象的なぷんぷく堂)

<以下、インタビュー(敬称略)>

◆なぜ夜開くのか

筆者: 百万回くらい聞かれたと思うのですが(笑)、なぜ夜に開かれているのでしょうか。普通に考えると、文房具店で夜の営業は不利だと思うのですが。

櫻井: いつかお店を夫婦でやりたいと思っていて、長女が就職をしたのを機に始めました。ただ昼間の仕事がやめられない事情があったので、夕方開くことにしたんです。不利というのはその通りで、確かに開店1年半は全くお客さんが来なくて、一番苦しい時期でした。

筆者: お客さんが来ない時はどうしていたのですか?

櫻井: ただ待っていてもつまらないので、地元・本八幡の文具交流会や、日本手帳の会などに参加させて頂きました。そこでの交流やTwitter、Facebookなどの繋がりができて、クチコミされるようになったり、業界紙に取り上げて頂いたりして、少しずつお客さんに来ていただけるようになっていきました。

筆者: 積極的に情報発信していかれたのですね。いまは繁盛しているようですが、転機はあったのでしょうか。

櫻井: はい、2年前に東京新聞で記事を掲載して頂いたことが大きかったですね。千葉のお店なのにありがたかったです(笑)。久米宏さんのラジオ番組への出演が転機になったと思うのですが、この時、出演料まで頂いて、ああ自分はプロなんだなと自覚したことを覚えています。

◆ネーミングは、超ストレート。潔く、お客様にわかりやすい商品名

筆者: なるほど、僕も取材に来た一人として感じるのは、夜開くというのがキャッチーで目立ちがちですが、本質はそこではなく、備品や品ぞろえ、店を構成するものすべてにこだわりがあって、ぷんぷく堂に惹きつけられるのだと思いました。その魅力の1つだと思うのですが、オリジナル商品がたくさんありますね。どうやって作っているのですか?

櫻井: 見たことがないとか、驚きやときめきを感じてもらいたいと思ってお店づくりをしています。オリジナル商品は、自分の子どものように一生懸命に悩んで名づけをしています。これは「過保護袋」というのですが、ジーパンのタグに使われている丈夫な素材で作っていて、すぐにくちゃくちゃになりそうな領収書とかを過保護に収納する袋です。最初に商品化したのは「半分鉛筆」というのですが、「大人になると鉛筆を使わなくなった」というお客さんがいらして、何故か聞いてみると大人の持っているペンケースには新しい鉛筆が長すぎてはいらないというので、最初から半分にして使いやすくしました。

その名も『半分鉛筆』 そのまんまのネーミングです。
(写真: その名も『半分鉛筆』 そのまんまのネーミングです。)

◆ぷんぷく堂の名前の由来

筆者: ストレートなネーミングで楽しくなりますね。僕はインスタグラム用という「1日100文字したたメモ」が気になってしょうがなかったです。読者のみなさんに全部紹介したいのですが、紙面の都合上、後はお店で聞いて頂くということでお願いします(笑)。最後に、とてもユニークなお店の名前の由来を聞かせてください。

櫻井: そんなに面白いエピソードではないですよ。コピーライターの友人に、ちょっと考えてとお願いしたら「ぷんぷく堂」がいいんじゃない?って。理由をきくと、発音する時の唇の形や「ぷ」の「°」が2つならんでてかわいいから。タダで出してもらったので、そんなものかと(笑)。

筆者: 確かに思っていたのと違う展開ですが(笑)、とても素敵な名前だと思います。結果的に、すべてがしっくりしているのが櫻井さんのお人柄によるものなのだと納得してしまいました。本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。


 文具店を始めたきっかけは、熱烈な文具ファンだったからではなく、たまたまオークションで一目ぼれした昭和時代の「yacht鉛筆」に興味を持ったら、あっさり落札してしまい、大量に在庫があったから売ってみようと思われたということです。力強い言葉を操って、明確なビジョンを語るわけではないので、ともすると成り行きでやってきたような印象を受けてしまいますが、しかし、そうではなく、強い意志を持って着実に夢をかなえていっていることが伺えました。取材申し込み時に「媒体向け資料」というものを頂いたのですが、それが3474文字という大作でした。inspiのコラムが1200文字~1600文字くらいなので、その2倍以上ある代物です。まじめ、そして徹底してやれることはやるという性分がそこにも見て取れました。今年はオリジナル文具2点を出す計画だそうです。こだわり続けるぷんぷく堂・櫻井さんの動向から今後も目を離せません。

<ぷんぷく堂>
営業時間:月・火・木・金・土 (17:00~22:00)
第1日曜・祝日 (12:00~19:00)
定休日:水曜・日曜(第1日曜のみ12時~19時営業)

防災訓練生.S
愛用の文房具は測量野帳。inspiでは防災番や下地先生のイラストも担当しています。いろんな視点で文房具の便利な使い方などを紹介していきたいと思っています。

《防災訓練生.S》

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