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それでも「いいペンを教えて」と聞く覚悟はあるか~文具自分紀行・その2

文房具

それでも「いいペンを教えて」と聞く覚悟はあるか~文具自分紀行・その2
  • それでも「いいペンを教えて」と聞く覚悟はあるか~文具自分紀行・その2
  • 例えば、シャープペンシル。軸の形状で、持ちやすさ、フィット感などが変わってきます。
  • もちろん、芯の太さ、濃さでも書きごこちなどの印象も大きく変わります。
  • 色の選択肢もたくさん。ビジネスシーン向けのシックなカラーや、ポップなかわいいカラーなど好みにあわせて。
  • さらには、ペン先の素材、消しゴムの有無、クリップの有無など、選ぶポイントはいろいろ。
◆困る理由4 そもそも、そこまで期待されているわけではないのはうすうすわかっている

 これだけ盛り上がっておいてなんだが、実際に質問をされている方はたぶんそこまでの回答をもとめていらっしゃらない、というのもうすうすはわかっている。私が文房具好きだと聞いたから、会話の糸口、あるいは社交辞令のような軽い気持ちで聞いてくださっている場合も多々あるのだろう。

 なのでさすがの私でも、ここで勢い込んで「そもそもボールペンの分類というのにはいくつかの切り口が考えられまして、それぞれの特徴をごく簡単に申し上げますと…」などとおっぱじめようもんならドン引きされるだろうな、程度の自覚はある。

 であれば、こちらも社交辞令的に無難な回答を用意しておけばよいのだが、万が一その人がわりと素直にアドバイスを聞き入れて購入にまで至り、それが実は好みや事情にマッチしたものでなかったら…? と考えると、「困る理由3」に戻ってしまい、無限ループに陥るのである。

◆オタクになるということは、世界が細分化されること

 思うに、この手の話は文房具に限らず、「オタク」と「一般人」それぞれが見ている世界のギャップに起因して、ありとあらゆるところで発生しているディスコミュニケーションなのだろう。

 ある分野の「オタクになる」ことは、その世界が「細分化される」ことである。おそらく、一般の人は「ボールペン」というひと塊で世界をとらえていて、その中を分類するにしても「せいぜい5種類くらいだろう」と考えている。しかしわれわれオタクは、「ボールペンにはまず油性と水性とゲルがあって…」というように、どんどん細かい差異に注目してしまうのだ。

 「一般人」の側にたってみると、これはきっと男性が化粧品売り場にズラリと並ぶ口紅をみて、「ぜんぶ赤じゃないか…」と頭を抱えるときの気持ちと同じではないだろうか。私だって、自分がまったく不得意な分野では「車って、まあ言うても5種類くらいしかないんでしょ…」と思っていたりするし。

 であれば、われわれはどうすればいいのか。月並みではあるけれど、「見えている世界が違う」という前提にたち、お互いの世界を尊重しあうしかないのだ。それが、世界平和へと至る可能性がある、唯一の道である。

 そして、これを読んだ人へ。私に「いいペンを教えて」と聞くときは、「○○用のペンを教えて」のように、ある程度まで絞り込んだ形で聞いて欲しい。そうすれば話は5分で終わるが、うっかりそのまま聞かれると、もれなく3時間コースになってしまうことをご理解いただきたい。ちなみに私は、どちらの聞き方でもかまわない。それは、あなたが選ぶことのできる道なのだ。

ヨシムラマリ
1983年生まれ、神奈川県出身。会社員として働くかたわら、イラスト制作を手がける。日常の「あっ」という瞬間をイラストと文章で切り取るブログ「コロメガネ」を運営。また、文房具マニアとしてワークショップ、イベントでも活動中。

《ヨシムラマリ》

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