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万年筆と、書くことの快感~文具自分紀行・その5

文房具

万年筆と、書くことの快感~文具自分紀行・その5
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  • 装丁ノート<RECORD BOOK Century Edition>は万年筆にも最適な紙質のノート
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 実際に取り組んでみるとわかるが、特にまとまった意味のある文章を目的とせず、ただただ浮かんでくる言葉を紙に書き写すという行為には、ある種のカタルシスが伴う。それは悩みや怒りを人にぶちまける快楽に近いものだが、誰にも迷惑をかけないという安心感から、より自分に正直になれる。文字となって書かれた思考は輪郭を持ち、自分から切り離され、客観性を獲得する。モヤモヤとしていた頭の中が、少しずつクリアになっていく。こうして「書く」ことは、精神を浄化する作用、快感をもたらすのである。

 このとき、私たちの「思考」とそれを展開される「紙」は、ペン先の小さな一点でつながっている。ここに一切のわだかまりがない、即ち肉体的に快感を伴う状態であるということは、精神的な作用に物理的なジャマが入らないということであり、些末なようでいて大変重要なことではないか、と思うのだ。

◆カレーを食べるためにお米を食べるのか、お米を食べるためにカレーを食べるのか

 こうして、万年筆によってもたらされる肉体と精神の快感は両輪となって、相互に弾みをつけながら「書く」行為を加速していく。カレーだけ、お米だけではそんなに食べられないが、カレーライスになるといくらでも食べられるのと同じである。

 そう考えてみれば、「快感」も文房具にとっては一種の「機能」とよべるのかもしれない。最初は肉体的な快感を得ることを目的に「書く」という行為がはじまるが、「書く」うちに悩みを客観視できるようになり、考えが整理される。結果としてストレスが解消し、余計なことにとらわれていた脳のリソースを、本来やるべき仕事に割り当てられるようになるのだから。

 なので、仕事をするために文房具を使うのが本来のあり方だ!というのはたしかに正論ではあるけれど、文房具を使う快感にずぶずぶと溺れ、結果的に仕事をしているならいいじゃないの、と自分に言い聞かせながら、文房具を使うために仕事をしているような状態も、たまには悪くないかな、と思うのである。

ヨシムラマリ
1983年生まれ、神奈川県出身。会社員として働くかたわら、イラスト制作を手がける。日常の「あっ」という瞬間をイラストと文章で切り取るブログ「コロメガネ」を運営。また、文房具マニアとしてワークショップ、イベントでも活動中。

《ヨシムラマリ》

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