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眠れなくなる「品番」の話~文具自分紀行・その7

文房具

眠れなくなる「品番」の話
  • 眠れなくなる「品番」の話
  • キャンパスノートではあればロゴの下にひっそりと品番が記載されている。品番は商品の隅や裏面に書かれていることが多いので、ぜひチェックしてみていただきたい。
 私ことヨシムラマリが、日頃から「あーでもないこーでもない」と考えている紆余曲折をあえて公開することで、文房具について思考をめぐらせ悩む楽しさを半ば強制的に共有しようというこのコラム。今回は、気になり始めると止まらない「品番」について考えてみたい。

◆「品番」は、どこのが好きかと聞かれたら

 世の中には、いろいろな文房具メーカーがあり、それぞれに良いところがある。しかし、「品番はどこのが好き?」と聞かれたら、私は間違いなく「コクヨ」と答えるだろう。

 品番とは、いわゆる商品番号、別の言い方をすれば型番のことである。メーカー名や商品名ならまだわかるけど、品番?と思われるかもしれない。アルファベットや数字の羅列でよくわからないし、なにがおもしろいの?と。たしかにそうだ。だが待って欲しい、コクヨの品番はちょっと違うから。

 もしお手元にキャンパスノートがあったなら、表紙をチェックして頂きたい。「ノー3A」などと書いてある、これが品番だ。え?「ノー」ってもしかして、「ノート」の「ノー」?その通り、コクヨの品番は、その商品のカテゴリーを表すカナではじまる(ことが多い)のが最大の特徴なのである。

 ノートが「ノー」なのだから、当然ファイルは「フー」ではじまる。「アー」はアルバム、「メー」はメモの品番だ。あれ、でも測量野帳は「セー」?ああそうか、これはノートやメモじゃなくて、製図用品だからか。なるほどわかった、カテゴリー名の先頭をとっているのだな?じゃあリングノートは「リー」だな?と予想して見てみると突然の「スー」だったりするから油断できない。

 なんでだよ!と思うが、どうやらこれは「スパイラル」から来ているらしい、と気づく。昔はダブルリングではなくスパイラル製本が主流だったから、その名残だろう。これだから歴史のあるメーカーは…などと考えているうちに、私はすっかり深みにハマってしまったのだった。

 こんな話をする機会もそうそうないだろうから、せっかくなので私のお気に入り品番をざざっと紹介してみよう。

◆直球でカワイイ

 カテゴリー名を2文字にキュッとまとめたタイプ。「ハサー」(ハサミ)、「ケシー」(消しゴム)、「メクー」(紙めくり)、「ナフー」(名札)など、短くなったことでキャラクターが二頭身になったようなかわいらしさがある。

 「マクー」(マグネット)、「コムー」(輪ゴム)のように、品番化にあたって濁点が省略されてしまうのも、ちょっと舌足らずな感じで味わい深い。

◆そう来たか!って感じのやつ

 リングノートの「スー」のように、少しひねりがあるタイプ。代表的なのは領収書の「ウケー」だろう。お金を頂く、すなわち「受け」とるときに使う伝票だから「ウケー」。なんだか気が利いているじゃないか。

 スケッチブックは、絵を描くときに使うものだから「エー」。あくまでも想像だが、「スー」がリングノートで先に埋まっていたから、という裏事情もあるのかもしれない。

 テープのりの定番、ドットライナーなどで使われている品番は「ター」。これはどうやら、「タック」から来ているらしい。タックメモ、タックインデックスの「タック」と同じで、「接着性」を意味する言葉だ。

 キャンパスダイアリーの「ニー」も最初は悩んだが、一瞬考えて「日記」!日本語か!と気づいたときには思わず笑ってしまった。ひねりと見せかけたストレートである。

◆声に出して読みたい品番

 これはもう単純に、私が声に出して口と耳でその響きを味わいたい品番である。「クケー」(クリヤーケース)なんて、とてもいいではないか。「クケ、クケ」と意味もなく繰り返したくなる。

 あとは基本的に、ハ行で終わるタイプに弱い。「カヒー」(画鋲)、「セホー」(製本用品)、「ヨハー」(用箋ばさみ、ようするにクリップボードのこと)、「タホー」(タック式ポケット)などなど。

 中でも、私が愛してやまないのはハ行ではじまりハ行で終わる「ホヒー」(包装ひも)だ。どうにも気が張って肩に力が入っているときに、ぜひ「ホヒ~」声に出してつぶやいてみて欲しい。空気とともに全身から力が抜けていくのがわかるから。ただし、試すときはくれぐれも周りに人がいないか、よく確かめること。家族や同僚に必要以上の心配をかけてはならない。

◆商品の数だけ品番はある

 今回は私が特に気に入っているものを紹介したが、本当にごく一部だ。なにしろ、品番は商品の数と同じだけあるのだから。しかし最近では、販売管理システムなどの商品マスタに登録しにくいなどの理由から、カナ品番は次第に姿を消しつつあるように感じる。仕方のないことではあるが、少々さみしいことだ。

 なので、コクヨの文房具を買う機会があったなら、パッケージを捨てる前に今しか見られない(かもしれない)品番も、少しだけ気にしてみて欲しい。万が一気になりすぎて夜も眠れない状態になったとしても、あまり責任はとれないけれど。

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ヨシムラマリ
1983年生まれ、神奈川県出身。会社員として働くかたわら、イラスト制作を手がける。日常の「あっ」という瞬間をイラストと文章で切り取るブログ「コロメガネ」を運営。また、文房具マニアとしてワークショップ、イベントでも活動中。

《ヨシムラマリ》

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