まなび、はたらきに小さな発見
文房具・雑貨・家具のニュース情報サイト

まなび、はたらきに小さな発見
文房具・雑貨・家具のニュース情報サイト

「MJ's FES みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展 SINCE 1958」で記者は見た!「マイブーム」の祖に愛されたコクヨのあの製品とは!?

文房具

エントランスには、みうら氏がこれまで原稿用紙に書いてきた生原稿が積み上げられ、高さ1メートル近くもあるタワーとなって展示されていた。
  • エントランスには、みうら氏がこれまで原稿用紙に書いてきた生原稿が積み上げられ、高さ1メートル近くもあるタワーとなって展示されていた。
  • みうら氏直筆のメッセージ。一文字一文字、丁寧で読みやすく、カワイイ書体。もちろん原稿用紙はコクヨ ケ―10
  • 怪獣スクラップ。「雑誌なら捨てられるけれど、スクラップは作品だから親も捨てられない」というみうら氏の思惑どおり、しっかり保存されている。
  • 小学校4年生のときにせっせと発行した、「ケロリ新聞」。最初は手伝ってくれた友だちもみうら氏の情熱についていけず脱落。以来、一人編集長に。
  • 仏像スクラップ。筆書きの表紙絵も素晴らしい。ここまで使っていただけたらスクラップ・ブックも本望だろう。
  • エッセイやマンガ、ポエムなど、世界にひとつだけの自作の本の数々。原稿用紙に手書きしたものを丁寧に和綴じにしてある。
  • 思春期らしい散文。大人になって読み返したとき“恥ずかしい”と思っても、捨てずにとっておくのがみうら流。
  • 長年の愛用に対する感謝を込めて、みうら氏に贈呈された、「金のスクラップ・ブック」も展示されている。
 イラストレーター?マンガ家?エッセイスト?ミュージシャン?仏像愛好家?…マルチな才能あふれる彼の肩書を一言で言い表すのは難しい。「ゆるキャラ」の名づけ親であり、彼の造語である「マイブーム」は1997年の新語・流行語大賞にも選ばれた。

 と言えば、もうおわかりでしょう。

 彼の名はみうらじゅん。

 2018年2月1日に還暦を迎えたみうら氏の、これまでの“過剰”なまでの作品の数々と独特の世界観を一挙公開する大規模な展覧会、「MJ's FES みうらじゅんフェス!マイブームの全貌展 SINCE 1958」が川崎市市民ミュージアムで開催中です(会期:2018年03月25日まで)。

 同ミュージアム広報ご担当の坂下冬子さんによると、公立の美術館でみうらじゅん氏の展覧会を開催するのは初めてで、老若男女、親子連れのお客様も多いそう。さらに今回は第1会場、第2会場合わせて約1600平方メートルにもおよぶ、まさに「みうらじゅん史上最大規模」の展覧会。その圧倒的な物量と熱量にクラっとなること間違いありません。

  展示された1000点以上の作品やコレクションとともに、会場でしか見られない、みうら氏のインタビュー映像も必見です。

◆マイブームは小学校1年の「怪獣ブーム」から始まった!

 さっそく、みうら氏の誕生から漫画家としてデビューするまでを一望する第1会場から見てみましょう。

 まず目に入ってくるのは原稿用紙に書かれたみうら氏のメッセージです。原稿用紙は愛用の「コクヨ ケ-10」(ちなみにみうら氏は、仕事として原稿を書くときも、未だに原稿用紙に手書きだそう)。ここには、「マイブームの軌跡」は「小学校1年生から始まっている」と書かれています。

みうら氏直筆のメッセージ。一文字一文字、丁寧で読みやすく、カワイイ書体。もちろん原稿用紙はコクヨ ケ―10
みうら氏直筆のメッセージ。一文字一文字、丁寧で読みやすく、カワイイ書体。もちろん原稿用紙はコクヨ ケ―10

 最初は「怪獣ブーム」。新聞や雑誌で見つけた怪獣を手当たり次第に切り抜いてはスクラップ・ブックに貼りつけたそう。使用したのは、コクヨの「スクラップ・ブック ラ-40」。会場には、世界に一つしかない「怪獣スクラップ」4巻が展示されていました。

 「スクラップ・ブックは作品。雑誌は捨てられるけれど、作品なら親も捨てられない」と、みうら氏はスクラップ・ブックを作った理由を語ります(インタビュー映像より)。

怪獣スクラップ。「雑誌なら捨てられるけれど、スクラップは作品だから親も捨てられない」というみうら氏の思惑どおり、しっかり保存されている。
怪獣スクラップ。「雑誌なら捨てられるけれど、スクラップは作品だから親も捨てられない」というみうら氏の思惑どおり、しっかり保存されている。

 貼りつけた紙片で厚みを増し、糊で波打ったスクラップ・ブックの存在感。少年みうら氏の過剰なまでの偏愛ぶりに圧倒されます!

 コクヨのスクラップ・ブックが商品として市場に出たのは1964年。1958年生まれのみうら氏が6歳のときのこと。怪獣スクラップを始めた時期と一致します。みうら氏の“スクラッパー人生”は、コクヨのスクラップ・ブック誕生とともに始まったと言えるでしょう。

◆小学校4年、すでに「頼まれもしない仕事」が始まっていた…

 小学校4年生の頃、「ケロリ新聞」と名付けられた手書きの壁新聞が、週1からほぼ日刊ペースで次々発行されています。みうら氏は、幼少時から現代に至るまで、「頼まれもしない仕事」を勝手にやってきたと、インタビューの中でも述べていますが、壁新聞係でもないみうら氏が発行し続けた「ケロリ新聞」はまさにその筆頭。

小学校4年生のときにせっせと発行した、「ケロリ新聞」。最初は手伝ってくれた友だちもみうら氏の情熱についていけず脱落。以来、一人編集長に。
小学校4年生のときにせっせと発行した、「ケロリ新聞」。最初は手伝ってくれた友だちもみうら氏の情熱についていけず脱落。以来、一人編集長に。

 これらの「マイブーム」は、みうら氏にとって趣味ではなく仕事だったそう。彼が圧倒的な熱量で心血を注いだ作品群は、最初こそ皆おもしろがって見てくれますが、そのうち「お前の趣味にはついていけない」と言われるようになったとか。しかし本人は、趣味ではなく “仕事”だと思っているから、「これは編集がよくないのだ、読者を飽きさせない編集を考えよう」ととらえ、次の制作に生かしたといいます。この頃から、常に第三者に向けて、どうすれば楽しんでくれるかを考えていたんですね。

◆「仏像ブーム」で一目置かれる

 同じく小学校4年生の頃、祖父に連れられて東大寺戒壇堂で出会った四天王像に衝撃を受けたことから、仏像写真のスクラップが始まりました。みうら氏の仏像好きはつとに知られるところですが、ルーツはここにあったのです。全7巻におよぶ「仏像スクラップ」には、仏像写真の切抜きと、その周辺には細かな字で寺や仏像の説明がびっしりと書かれています。そして、ここでもコクヨの「スクラップ・ブック ラ-40」が愛用されています。

仏像スクラップ。筆書きの表紙絵も素晴らしい。ここまで使っていただけたらスクラップ・ブックも本望だろう。
仏像スクラップ。筆書きの表紙絵も素晴らしい。ここまで使っていただけたらスクラップ・ブックも本望だろう。

 「仏像は高尚な趣味だと勘違いされ、学校の先生にももてはやされ一目おかれるようになった」と、みうら氏。これに調子づき、休み時間に職員室を訪ねては見せびらかしていたそうです。

長年の愛用に対する感謝を込めて、みうら氏に贈呈された、「金のスクラップ・ブック」も展示されている。
長年の愛用に対する感謝を込めて、みうら氏に贈呈された、「金のスクラップ・ブック」も展示されている。

◆自作のエッセイ集、マンガ本を次々発行

 中学生になって訪れたのが「エッセイストブーム」。自作のポエム、エッセイを原稿用紙に書き、閉じ紐で丁寧に和綴じした自作本が20作品展示されていました。ここで使われているのは、冒頭でも登場したコクヨの原稿用紙「ケ-10」。思春期に描いたポエムなど恥ずかしくて取っておかないのが普通の人だと思いますが、恥ずかしいものでもくだらないものでも“何でも残す”のは、みうらアートの神髄のようです。この頃、多くの漫画本も制作しています。

思春期らしい散文。大人になって読み返したとき“恥ずかしい”と思っても、捨てずにとっておくのがみうら流。
思春期らしい散文。大人になって読み返したとき“恥ずかしい”と思っても、捨てずにとっておくのがみうら流。

◆「天才のスケッチブック」通称「天スケ」

 さて、二浪を経て武蔵野美術大学の学生となり、「イラストレーターブーム」が始まります。学生時代に使用した、スケッチブックやクロッキー帳が展示されていましたが、興味深いのは、すべての表紙に「天才のスケッチブック」とタイトルが書かれ、通し番号がつけられていること。100冊以上あるというスケッチブック(そのうち展示されているのは58冊)に描かれた、おびただしい数のアイデアスケッチ。だんだんとみうら氏のスタイルが確立されていく過程が読み取れて興味深いです!

受験票。「こんなものまでよく取っておいたな~」と思わずため息が出る。実はイケメン!という発見も。
受験票。「こんなものまでよく取っておいたな~」と思わずため息が出る。実はイケメン!という発見も。

 その後、展示は、持ち込みボツ作品からのカルト的なマンガ雑誌『ガロ』でのデビュー、「ウシブーム」へと続いていきます。そのほかにも、高校時代に400曲以上ものオリジナルソングを作ったという「フォークシンガーブーム」や、金沢へ家出したときに書いたという「オレからオレへの手紙」なども見逃せません。

 上映コーナー、「アウトドア般若心経」「仏画曼荼羅」、仕事部屋の再現…と展示は続き、ここまでが第1会場。まだ全展示の3分の1くらいだというのに、1時間半が過ぎていました!

《石井栄子》

関連記事

文房具 アクセスランキング

  1. ノートを仕事用に「武装」する~ノートカバーの地味な進化~

    ノートを仕事用に「武装」する~ノートカバーの地味な進化~

  2. 【夏休み2018】学研の自由研究サイト、実験・工作の方法やまとめ方を紹介

    【夏休み2018】学研の自由研究サイト、実験・工作の方法やまとめ方を紹介

  3. 限定柄キャンパスノート、1冊ずつ選べる「スペシャルエディション」登場!

    限定柄キャンパスノート、1冊ずつ選べる「スペシャルエディション」登場!

  4. 手帳って使いこなさなくちゃいけないのか問題~文具自分紀行・その1

  5. こんなにおしゃれな使い方も! 「測量野帳」のステキ活用術

アクセスランキングをもっと見る

特集