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テープのりの地味な進化~「多様性」という豊かさ~

画期的な新機能や華々しさはないけれど、地味に進化している定番文具をとりあげるこのコラム。今回のテーマはテープのり。使用する環境や目的にあわせ、多様なバリエーションを持つ「ドットライナー」シリーズに注目したい。

文房具
テープのりの地味な進化~「多様性」という豊かさ~
  • テープのりの地味な進化~「多様性」という豊かさ~
  • ドットライナー(しっかり貼るタイプ)
  • のり面をドット状にしたことで従来品以上の使いやすさを実現
  • テープのりというジャンルを定番にまで押し上げた立役者
  • ドットライナー ホールド
  • 封筒の端に、まっすぐ且つ素早くのり付けできる
  • ドットライナー スタンプ
  • ハンコのようにポンと押し下げれば、ピンポイントでのり付けできる
【生息域その3】ペンケース

 最後の生息域は、ペンケースである。持ち歩くことが前提となるこの環境では、コンパクトであることと、粘着面にホコリなどのゴミがつきにくいことが適応の条件となる。

 そこで最もおすすめしたいのは、昨年11月に発売されたばかりの「ドットライナー プチプラス」だ。消しゴムほどの小さなボディでありながら、なんと10mものテープが収められている。先端のローラーをすっぽりと覆いつくすフルカバーキャップは、片手で開閉できるスライド式。ペンケースの中で不用意に開くこともなく、ひとつ持ち運ぶには文句なしの一品だ。

 プリント貼り用ののりを携帯したい人には、「ドットライナー スティック」がある。ペンケースへの収まりがいい円筒形に、しっかり閉まるキャップ。ここで「あれ?」と思われた方もいるだろうか。そう、実はこれ、スティックのりに擬態したテープのりなのだ。元来、スティックのりへの対抗馬として生まれたテープのりが、進化を経てまたスティックのりへと還っていくことに、ちょっとした生命の神秘を感じる。

◆多様性という豊かさ

 究極の生命といえるものが存在しないのと同じように、究極の文房具というものもまた存在しない。なぜなら使用される環境の違いによって、最適な特性も異なるからだ。しかしそのことを嘆き悲しむ必要はない、と私は思う。

 今はまさに文房具にとって生命大躍進の時代。テープのりひとつをとっても、これだけの多様性が存在することこそ、豊かさと呼べるのではないだろうか。種類がいっぱいあって迷うなぁ、自分の目的に適したものはどれかなぁと選んでいるようなときにふと、その幸福を身近に感じるのである。

ヨシムラマリ
1983年生まれ、神奈川県出身。会社員として働くかたわら、イラスト制作を手がける。日常の「あっ」という瞬間をイラストと文章で切り取るブログ「コロメガネ」を運営。また、文房具マニアとしてワークショップ、イベントでも活動中。
《ヨシムラマリ》

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