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これぞ手帳カスタマイズの極み!鹿島建設のオリジナル測量野帳が美しい

 巷で話題の手帳のカスタマイズ。測量野帳は、さまざまな企業とコラボレーションしたオリジナルデザイン制作も可能です。ノベルティとしてオリジナル測量野帳を活用している鹿島建設に取材しました。

文房具
オリジナル測量野帳を手にする鹿島建設・広報室の町田さんと荒川さん
  • オリジナル測量野帳を手にする鹿島建設・広報室の町田さんと荒川さん
  • 鹿島建設の測量野帳
  • ノベルティとしてオリジナル測量野帳を制作した鹿島建設・広報室の町田さんと荒川さん
  • 裏表紙のデザインも修正が繰り返されました(一番右が完成品)
  • 色校正を、実際の測量野帳の表紙に貼ってイメージを確認した時のサンプル(一番右が完成品)
  • ノベルティとしてオリジナル測量野帳を制作した鹿島建設・広報室の町田さんと荒川さん
  • オリジナル測量野帳を手にする鹿島建設・広報室の町田さん
  • ノベルティとしてオリジナル測量野帳を制作した鹿島建設・広報室の町田さん
 「測量野帳」というノートをご存じですか。名前は聞いたことがなくても、細長い深緑色の手帳は、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 この測量野帳、なんと、2019年に発売60周年を迎えたロングセラー商品。もともとは、土木工事などで測量の際に使われていた測量記録用のノートでしたが、表紙が硬くコンパクトで持ち運びしやすいことから人気が広がり、現在では年間100万冊も売れる定番ノートになっています。旅行の日記を残すトラベルノートにしたり、作った料理を記録するレシピノートにするなど、その活用法は人それぞれ。 

 さらに測量野帳は、さまざまな企業とコラボしたオリジナルの手帳も作られています。そのひとつがこちら。

鹿島建設のノベルティ測量野帳。

 渋い藍色をベースとした和風の美しいデザイン。実はこちら、日本を代表する建設会社である鹿島建設の非売品のノベルティなのです。2017年に作られたこの測量野帳は、デザインの美しさで話題になり、測量野帳ファンのみならず多くの人の注目を集めました。今回は、このオリジナル測量野帳が作られた経緯を、鹿島建設・広報室の町田さんと荒川さんにお聞きしました。


歴史ある「印半纏」がモチーフ…デザインでお祝いのおすそ分け



--まず、ノベルティとして測量野帳を作られたきっかけを教えてください。

荒川さん:鹿島建設ではいろいろなノベルティを毎年制作しており、これまでにもオリジナルのボールペンなどを作ってきました。お客様によりご活用いただける商品をと考えた結果、このノートに行きつきました。弊社では何十年も前から測量野帳の「レベルブック」を用度品として採用しており、実際に全国の現場で社員が愛用しています。そういった経緯から、十分に鹿島建設らしさを表現できるものだと思ったからです。

お話を伺った鹿島建設・広報室の町田さん(右)と荒川さん(左)

--とても美しいデザインですが、このデザインはどのようにして決まったのでしょうか。

町田さん:実は、かなり難航したんですよね。ここにいる荒川とコクヨの担当者さんとブレインストーミングをして、あれこれアイディアを出したのですが、なかなかコレというものが思いつかなくて。単なる工事写真やイラストではなく、弊社らしさを出せるものはないかと考えていたところで、ふと荒川から「印半纏(しるしばんてん)」はどうかという意見が出ました。

荒川さん:「印半纏」というのは背や袖に屋号などを染め出した半纏で、昔から建物の上棟式やトンネルの開通式など、おめでたい式典で着用されてきた伝統的な衣装です。建設業の伝統と縁起の良さから、「鹿島組」の印半纏をモチーフとして使うことが決定しました。そして、今回は、現在の印半纏ではなく、明治時代の印半纏がモチーフになっています。

実際の測量野帳にデザイン案を貼って色を確認した時のサンプル

 でもそれからデザインの詳細を詰めていく過程で、また延々と話し合いました。最終のデザインになるまでには、いくつものパターンでデザインしてもらいました。
 色味についても頭を悩ませ、印半纏の色を微調整しながら細かく検討を重ねました。最初はもっと実際の印半纏に近い色でしたが、最終的には現在の鹿島の作業着の色に合わせた紺色にしました。

町田さん:表紙のシンボルマークは明治初期のもの、裏表紙には現在のものを入れてあります。見返しには、シンボルマークの変遷を広報室で簡潔にまとめて、皆さんに鹿島建設の歴史に触れていただけるように掲載しました。

裏表紙のデザインも修正が繰り返され、一番右が完成品。


荒川さん:弊社は海外にも拠点があるので、海外の取引先にお配りすることも多々あります。英語が得意な町田が英訳をして、印半纏についての英文の解説も掲載しました。デザインだけでなく、日本の伝統文化を知れるツールとして喜ばれています。

中面にはシンボルマークの変遷を記載。町田さんによる印半纏の英訳も。

町田さん:こうしてメッセージを伝えることができる点も、企業のノベルティとして測量野帳を選んで良かったと思う理由です。

2年間で6万冊!大人気となった測量野帳のノベルティ



--ノベルティの反響はいかがでしたか。

荒川さん:予想を大きく上回る反響で、それはそれは大変でした(笑)。2017年1月に配布を開始したところ、全国各地の事業所から取引先に差し上げたいからもっと送ってほしいと依頼がきて、3カ月で1万部がなくなってしまいました。これまで1万個のノベルティを配布しきるまでには1年以上かかっていたんです。結局追加発注を繰り返して、現在までになんと6万冊。ノベルティとしては異例の反響です。「御社のオリジナル測量野帳、使ってますよ」と、社外のさまざまな方から声をかけられる機会も増えて、あらためて測量野帳ファンの幅広さを感じました。

町田さん:海外拠点の現地の社員も、日本を代表する企業グループの一員であるという、ある種の帰属意識の象徴として魅力を感じてくれているようです。

--中身は方眼になっていますが、罫線にせず、方眼デザインを採用したのは理由があったのですか。

荒川さん:幅広い方にとって使いやすいものにしたかったからです。弊社の取引先だけでなく、例えば工事を行う際の近隣の方々へのご挨拶でお配りすることもあります。一般の方にお使いいただくことを目的としているので、家事でメモを取る時やお子様のお絵かきでも、使いやすい方眼タイプにしました。

鹿島社員も愛用する測量野帳の人気の秘密は?



--鹿島建設さんでは、もともと社員の方々も測量野帳を使っているとお聞きしましたが。

町田さん:弊社では何十年も前から測量野帳を用度品として採用しており、社内のストックを皆自由に持って行って、使うことが可能です。特に測量に携わる者はもちろんのこと現場に出る技術者は、常に手帳とペアで胸ポケットに入れていて、多い人では1ヶ月に1冊のペースで使っています。自分が携わった工事のメモが書かれた歴代の手帳を机に並べている社員も少なくありません。

用度品の測量野帳を手にする鹿島建設の社員
用度品の測量野帳を手にする現場社員

荒川さん:私は表紙にシールを貼ったり、カスタマイズして、他の人と使い分けていますね。ノベルティはあくまでも社外のためのものなのですが、通常配布している用度品ではなく、こちらのノベルティを使いたがる社員も多いです。社外で使用する時にもスタイリッシュですし、それだけ魅力的に仕上がったと思うと嬉しいですね。

--技術者の皆さんだけでなく、オフィスワークに携わる皆さんも使われていますか。

町田さん:私は営業部にいたころから愛用しています。測量手帳は裏表紙から使っても違和感がないので、自分用のメモは表紙から、営業メモは裏表紙からといった具合に、他の情報が見えないように使い分けていました

営業を担当していた頃から測量野帳を愛用しているという町田さん

プライベートでは、バナナノートとしても使っています。

--バ、バナナノート?……というとどんなものなんでしょうか。

町田さん:バナナが好きで、毎日昼食代わりに食べるんですよ。バナナに貼ってある品種やブランドのシールをコレクションしているんです(笑)。

町田さん愛用の測量野帳。左が通称「バナナノート」、右が営業メモ。

荒川さん:毎日食べているバナナの種類をレコーディングできますし、カラフルで、かわいいですよね(笑)。シールを貼っても広がりにくいのも良いですね。私もプライベートではワインのテイスティングノートとして活用しています。

--なるほど。皆さん、オンオフ関わらず、色々な使い方をされているのですね!測量野帳に今後期待していることがあれば教えていただけますか。

町田さん:測量野帳は歴史もあり、これ以上改良することはないほどすでに完成されていると思います。あれこれ追加せず、このシンプルさをこれからも貫いてほしいです。

荒川さん:土木の現場からは「ノベルティと同じデザインで防水タイプがほしい」という声が出ていますね。すでにビニールカバーのタイプは発売されていますが、表紙が少しやわらかいのです。レシピノートに使っている主婦の方も多いようなので、水回りでも安心して使えるような防水仕様を望んでいる人は多いかもしれません。

取材に応じてくれた鹿島建設・広報室の町田さん(左)と荒川さん(右)

--ありがとうございます。今後のノベルティの計画はいかがですか。

町田さん:また新デザインを考えたいですね。第一弾があまりにも人気だったので、これを超えるものはなかなか難しいですが。
 2019 年が創業から 180 年目になりますので、よりおめでたいデザインにしたいですね。測量野帳も発売から 60 年という節目でもあるの赤いちゃんちゃんこを着せるとか。手に取った人がテンションやモチベーションの上がるノートに仕上げたいです。

--測量野帳のカスタマイズの極みですね。ぜひ作ってください。楽しみにしています!

 まさに「測量」の名の通り、測量や土木の現場を中心に、建設業界ではあらゆる職種の方の身近にある測量野帳。建設現場だけでなく営業・広報の皆さんの活用法を伺うことで、ほかの業種や職種のオフィスでの活用やプライベートでの使い方まで、測量野帳の可能性を幅広く知ることができました。大人気となった印半纏デザインの測量野帳は、登場から2年経った現在も変わらず人気を誇っているそう。残念ながら非売品のため購入はできませんが、コラボアイテムとしての測量野帳の魅力も垣間見れた時間でした。

 今巷で流行している個人でのカスタマイズするも、ノベルティとしてオリジナルのデザインに仕立てるのも、同じ「わくわく」を伴う工程です。自分らしく・自分たちらしくアレンジした文房具を手に、毎日をご機嫌に過ごしたいですね。
《相川いずみ》

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