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科学の力でいじめ撲滅を目指す〈後編〉

いじめを減らすための基本的な考え方と、こどもとの向き合い方について大阪大学大学院特任講師の和久田学氏にお聞きした。WorMo'より転載〈後編〉

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公益社団法人子どもの発達科学研究所の主席研究員としていじめ問題の研究を行う大阪大学大学院特任講師の和久田学氏
  • 公益社団法人子どもの発達科学研究所の主席研究員としていじめ問題の研究を行う大阪大学大学院特任講師の和久田学氏
  • 出典:『BEAHERO_PAMPH_B』より
 いじめが学校現場で起きやすいのは事実だが、いじめの予防や早期解決において家庭が果たす役割も決して小さくはない。

 公益社団法人子どもの発達科学研究所の主席研究員としていじめ問題の研究を行う大阪大学大学院特任講師の和久田学氏は、「私たちが開発したこどもの問題行動解決に向けた手法は、学校環境などでの調査・研究で得られた結果をもとに作成したものなので、実証的で論理的です。私たちは、いじめに対するこのようなアプローチ法を『科学の力を使う』と表現しています。科学的な方法は、同じ条件のもとで行えば同じ結果が得られやすいうえ、心理学などの専門知識やスキルがなくても実行できるため、ご家庭でも実践していただけます」と語る。いじめを減らすための基本的な考え方と、こどもとの向き合い方についてお聞きした。

いじめの加害者・被害者だけでなく、傍観者も影響を受ける



 和久田氏によれば、何らかの形でいじめを経験した場合、こどもの成人後にも大きな影響を及ぼす可能性があるのだという。

「これまでの海外の研究では、『いじめ被害による自己肯定感の低下によって、学力や社会的能力が下がる』という報告が上がっています。また、被害者はもちろん、加害者・傍観者もいじめ問題によって負の影響を受けることがわかっています。ですから学校はもちろん、家庭でも、いじめが起こらない環境づくりをバックアップしていくことが求められているのです」

よい行動をほめることが、いじめを起こさない環境の土壌づくりに役立つ



 同研究所では、IWA JAPAN B-creative agencyと共同で、いじめ撲滅のための『BE A HERO』プロジェクトを全国の小中学校で展開している。HはHelp 、EはEmpathy、RはRespect、OはOpen-mindの頭文字をそれぞれとったもので、「いじめられている友達を助けたり、自分が助けを求めたりすることは正しいことだ」といった、いじめの撲滅という観点から見た正しい行動を徹底的に指導している。

出典:『BEAHERO_PAMPH_B』より
出典:『BEAHERO_PAMPH_B』より


 このプログラムがもつ特徴について、和久田氏は次のように説明する。

「大きな特徴は、『行動を変える』に特化していることです。今までのいじめへのアプローチは、『いじめはよくないことだからやめよう』と、道徳心に訴える方法が多かったように思います。しかし、いじめがよくないことは多くの人がわかっていますが、それでもいじめ問題は深刻化する一方です。具体的にどんな行動をすればいいかを教えることで初めて、いじめの撲滅にアプローチできると私たちは考えています」

 もう一つ特徴的なのは、正しい行動を評価する姿勢だ。

「こどもは潜在的に『保護者や先生に注目されたい』という気持ちを持っています。ですから、いじめなどの問題行動によって自分が注目されたことがわかると、同じ行動を繰り返します。それだけではなく、ほかのこどもまで問題行動を起こすようになってしまいます。ですから、問題行動をやめさせようとエネルギーを使うより、『正しい行動を評価して増やす』という手法に切り替える必要があるのです。保護者や先生にほめられることによってよい行動が増え、結果として悪い行動が減ります。そうするとよい行動をする子どもが増えるので、いじめなどが起こりにくい集団になっていくと考えられます」

正しいことをほめる手法は、家庭でも実践したい



 『BE A HERO』における、「正しい行動を評価する」という手法は、子育てにおいても重要だという。続きはこちら
《WorMo'より》

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