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納得感がない人は「経験」「感情」「正論」で語る。ある人は「歴史」「脳科学」「引用」を使う。

[コクヨの研修]スキルパーク、シニアトレーナーの下地寛也(しもじかんや)がプレゼンのコツをお伝えするコラム。29回目は納得感を出す技についてです。

ピックアップ
プレゼンで納得感を出す技<歴史に置き換えて考える>
  • プレゼンで納得感を出す技<歴史に置き換えて考える>
  • プレゼンで納得感を出す技<脳科学用語を使う>
  • プレゼンで納得感を出す技<有識者の引用を使う>
  • プレゼンで納得感を出す技<ホワイトボードに手書きする>
 こんにちは。[コクヨの研修]スキルパーク、シニアトレーナーの下地寛也(しもじかんや)です。プレゼンのコツをお伝えするこのコーナー、29回目。

 先日、KADOKAWAさんから出版した『プレゼンの語彙力』のエッセンスを数回にわけて、できる人のプレゼンの言い回しについて解説しています。

 今回はちょっと姑息なテクニックですが納得感を出す技についてお伝えします。


歴史に置き換えて考える



プレゼンで納得感を出す技<歴史に置き換えて考える>

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というように、人間の悩みや葛藤は大抵過去の歴史上のエピソードに似たものを見つけることができるものです。

 以下の2つの表現を比べてみてください。

△:「この改革はとても大きな変化になります」
◎:「この改革は明治維新のようなものです」


 歴史に喩えるだけでスッとイメージが伝わります。

 仕事をしていると「なんであの人が認められるの?」「そんな急な変化は厳しいよ」といったこともあるでしょう。

 そんな一見受け入れられにくい話も歴史に喩えることで腑に落ちます。

 使える歴史の出来事や人物を少しあげてみましょう。

「黒船」→異分野のプレッシャーによる大きな変化
「遣唐使」→レベルの高いところにわざわざ学びに行く
「戦国時代」→役員や管理職の争い・混乱状態
「明治維新」→意識改革、人の立場や思考の大転換
「織田信長」→うまく出世したチョー恐いワンマン上司
「井伊直弼」→社内政治に勝ち出世した嫌な奴

 歴史に置き換えることで、今ある状況も固有の問題ではなく生きていると起こりえることなんだという共感がえられます。

 歴史の引用の使い方はこんな感じ。

・「黒船が来たときのようなプレッシャーを感じているはずです」
・「信長ばりの強権ですが、部下に裏切られるかもしれませんね」


 特に年配の方は歴史好きが多いですので有効です。

脳科学用語を使う



プレゼンで納得感を出す技<脳科学用語を使う>

 感覚的にはわかることでも脳の仕組みから言われると説得力は大きく変わります。

△:「普通、人はそうしてしまうと思います」
◎:「脳の仕組みから言うと、そうしてしまうのです」


「男と女で意見が違う」「モチベーションが急にさがる」など、人の思考はミステリーです。

 左脳が理屈、右脳が感覚とも言われますが、脳の専門用語を使うことで、よくわからない人の行動について、いかにも納得感があるように説明することができます。

 脳に詳しくなくて大丈夫です。 使えるキーワードを覚えて「ドーパミンが出て来た!頑張れそう」みたいに使います。

「大脳・小脳・脳幹」→順に思考、運動、生命を司る機能
「前頭葉」→大脳新皮質にある高度な思考・創造を司る機能
「海馬・側頭葉」→前者が短期記憶、後者が長期記憶を司る
「ドーパミン」→モチベーションがあがる幸福物質
「アドレナリン」→火事場の馬鹿力をだす興奮物質
「セロトニン」→心を落ち着け平常心を保つ癒やし物質

 人間の行動は脳が決めて指示を送っているわけですから、その仕組みから説明されると反論しにくいでしょう。

 使用例は、

・「繰り返し学習で海馬の短期記憶を側頭葉の長期記憶に移します」
・「アドレナリンを出してフルパワーでいきましょう」


有識者の引用で自分の考えを補強する



プレゼンで納得感を出す技<有識者の引用を使う>

 話の説得力は何を言うかより、誰が言うかに依存する側面が大きいものです。

△:「差別化には革新を続けることが不可欠だと私は思います」
◎:「ジョブズも革新の大切さについてこう言っています」


 カリスマ社長が「これからはイノベーションが重要だ」と言うと「なるほど」とメモを取りますが、入社3年目の若手が同じことを言うと「まあ、そうかもね」としか思われません。これは信頼度や実績の違いからくることです。

 なので、実績のない人は同じことを言っている有識者の名言を借りましょう。これが引用のテクニックです。

 ネットで調べれば大抵の表現は見つかります。たとえば「イノベーション」「名言」で検索すればピーター・ドラッカーやスティーブ・ジョブズの言葉を見つけられるでしょう。

 その名言で自分の考えを補強します。たとえば「ピーター・ドラッカーはこう言っています。『ビジネスには2つの機能しかない。マーケティングとイノベーションである』。私も同感です」という感じで。説得力が増すとともに、いろんなことを知っている人だなあという印象も与えられます。

 使用例を見てみましょう。

・「松下幸之助も『商売とは、感動を与えることである』と言ってます」
・「『何かを捨てないと前に進めない』とジョブズも述べています。今、何を捨てましょう?」


キーワードをホワイトボードに書く



プレゼンで納得感を出す技<ホワイトボードに手書きする>

 最後にひとつ、おまけです。言い回しとは少し違いますが、なぜか納得感が高まるこの方法

△:「大切なことなので、しっかり覚えてください」
◎:「大切なことなので、ホワイトボードに書きますね」


 パワポで資料をプロジェクターに投影していたとしても、あらためてホワイトボードに文字や図を書くと、聞いている人は大切なメッセージだと思います。

 話しながらホワイトボードに文字を書くとライブ感も演出できます。

 仕事のできる人はホワイトボードの前に立つことに慣れています。自分の考えをササッと文字にできるのはスゴイことだなと周りの人は思います。

 ただ、その場で思いついたことを書くのは難しいと思う人もいるでしょう。しかし、何を書くのかをすべて決めてしまうとライブ感が損なわれます。

 なのでオススメの方法は、事前に3~4個くらい書くことを考えておいて、聞き手の話の食いつきかたをみて何を書くのかを選ぶといいでしょう。

 言い方としてはこのようなかたちです。

・「このキーワードは覚えてください。ここに書いておきましょう」
・「ここに概念図を描きますので、メモしてもらえますか」


プレゼンの語彙力 おもしろいほど聞いてもらえる「言い回し」大全
下地 寛也 (著) たかだべあ(イラスト)



『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)から絶賛発売中! イラストはLINEスタンプで有名な「けたたましく動くクマ」のたかたべあさんに描いていただきました。こちらもお楽しみください!

《下地寛也》

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