まなび、はたらきに小さな発見
文房具・雑貨・家具のニュース情報サイト

まなび、はたらきに小さな発見
文房具・雑貨・家具のニュース情報サイト

東北初開催!測量野帳使いのレジェンド、河内さんの展覧会に潜入

測量野帳使いのレジェンドの展覧会が東北で初開催!そんなウワサを聞きつけ、観に行ってきました!

文房具
東北初開催!測量野帳使いのレジェンド、河内さんの展覧会に潜入
  • 東北初開催!測量野帳使いのレジェンド、河内さんの展覧会に潜入
  • 河内一浩さん
  • 木で囲まれた温かみのある会場には、膨大な記録スケッチの中から厳選された複製170点がびっしり!
  • 本職の埴輪スケッチ。ただきれいなだけでなく、独自の解説が書き込まれているので素人が見ても面白い
  • 駅のホームを描いて、ボールペン2本潰した」などスケッチにまつわるエピソードも
  • せんだいメディアテーク 薄井真矢学芸員
  • 古墳見学ツアーで訪れた島を船上からスケッチしたもの。写真で撮るよりも描く方が記憶に鮮明に残るそう
  • 住宅街の隙間から見える古墳のスケッチ
 測量野帳使いのレジェンドの展覧会が東北で初開催!そんなウワサを聞きつけ、観に行ってきました!

展覧会【進化する「野帳」 考古学者 河内一浩の記録生活】



 河内一浩さんは大阪府羽曳野市職員であり考古学者。学生時代から現在に至るまで38年、描きためた測量野帳は450冊を超え、野帳愛好家たちにレジェンドとして知られる存在となっています。

河内一浩さん

 木で囲まれた温かみのある会場には、膨大な記録スケッチの中から厳選された複製170点がびっしり!

木で囲まれた温かみのある会場には、膨大な記録スケッチの中から厳選された複製170点がびっしり!

 今回の展示では、表現の変遷が分かるよう時系列に沿って紹介されていて、初期の鉛筆スケッチ時代から、着彩、点描などさまざまな技法を吸収しながら進化を続ける様子が良くわかります。考古資料はもちろんのこと、ふとした日常の風景まで興味心を持ったものは何でも描き込む河内さんの野帳世界に時間を忘れて引き込まれます。

本職の埴輪スケッチ。ただきれいなだけでなく、独自の解説が書き込まれているので素人が見ても面白い
<本職の埴輪スケッチ。ただきれいなだけでなく、独自の解説が書き込まれているので素人が見ても面白い>


駅のホームを描いて、ボールペン2本潰した」などスケッチにまつわるエピソードも
<「駅のホームを描いて、ボールペン2本潰した」などスケッチにまつわるエピソードも!>


大阪の考古学者の測量野帳がなぜ仙台で?



 ところで、何故大阪の考古学者の方の測量野帳が仙台で公開されているのでしょう?

 今回の展示を企画した、せんだいメディアテーク(公益財団法人仙台市市民文化事業団)の薄井真矢学芸員に聞いてみました。

せんだいメディアテーク 薄井真矢学芸員

 薄井さん:今回の展覧会は、せんだいメディアテークが展開する「しらべの細道」シリーズの一つとして企画されました。「しらべの細道」というのは、調査・研究名人の眼差しや情熱を展示形式で紹介し、”調べる”行為そのものにある面白さをみなさんに知っていただこうというもの。企画制作をされている美術家の伊達伸明さんが、こつこつと書き溜めた膨大な記録メモなどから人柄が表れるようなものをと探索し、河内さんの存在にたどり着きました。

--確かに、河内さんの測量野帳からは単なる記録メモを超えた魅力が伝わってきます。会場にいらっしゃるお客様の反応はどうですか?

薄井さん:みなさん、河内さんの記録の膨大さ、観察力、スケッチのうまさに驚いています。河内さんの展示は東北では初めてのお披露目となるので、どういう方が来られるか気になっていましたが、スケッチが好きな方、考古学に興味のある方、河内さんの絵に魅かれてきた方、「測量野帳」が大好きという方など、動機はさまざまなようです。

古墳見学ツアーで訪れた島を船上からスケッチしたもの。写真で撮るよりも描く方が記憶に鮮明に残るそう
<古墳見学ツアーで訪れた島を船上からスケッチ。写真で撮るよりも描く方が記憶に鮮明に残るそう>


--考古学というと難しいイメージがありますが、展示を見ていると身近で楽しい感じがします。

薄井さん:私は考古学のことは何もわからないのですが、河内さんの野帳は沢山のスケッチが描かれていて、難しい「学術資料」という感じがありません。実測図や模式図も眺めていて面白いのですが、絵手紙や漫画風など様々な描き方を試しておられて、興味深いです。

 また、何気ない日常の風景として住宅街を描いているようなスケッチなどもあるのですが、実はそれも、家と家の隙間に見られる小高い丘が古墳であり、「古墳」のスケッチなんだ、と気づいて驚きました。いかにも「古墳を描きました」というものでなく、あくまで日常目にする風景の一部にそれがひっそりあるような描き方で。河内さんの眼を借りて世界をみる体験ができました。

住宅街の隙間から見える古墳のスケッチ

--「測量野帳」という一つのフォーマットで450冊も続いているというのがすごいです!発売から今年で60周年、変わらぬデザインで存在し続ける商品だからこそ河内さんの生活に寄り添い続けられているのでしょうね。

薄井さん:私自身は、この企画を行うまで「測量野帳」というものを知りませんでしたが、愛用者が多く驚きました。考古学や建築土木など野外で調査する分野では学生時代から使うものなのだと知りましたが、卒業してからも愛用し続ける人が多く、実は同じ職場にも愛用者がいるなど、今回の企画をきっかけに知ることができました。

 さらにはそれが、「100人、100の野帳」に見られるような、文房具として幅広い使われ方をしていることにも驚かされました。

各地の博物館で入手した限定版測量野帳をコレクションされている方もいらっしゃいます
<各地の博物館で入手した限定版測量野帳をコレクションされている方も多い>


「地底の森ミュージアム」でのスケッチイベント



--また、3月には関連イベントとして、「仙台市富沢遺跡保存館 地底の森ミュージアム」にて、河内さんと一緒にスケッチする企画も開催されましたね。私も参加しましたが、老若男女さまざまな方が参加していてとても賑やかでした。

薄井さん:はい。河内さんの測量野帳にまつわる楽しいトークを聞いた後、館内の展示物を野帳にスケッチするという内容でした。スケッチしたものをみんなで見せ合うことで、この人はこういうことに関心を持っているのか、というのが見えて面白かったです。

河内さん(左)と、本イベントの監修もつとめる伊達さん(右)
<河内さん(左)と、本イベントの監修もつとめる伊達さん(右)>


会場は満員御礼。想い出のページに沿ってエピソードを語る河内さん
<会場は満員御礼。想い出のページに沿ってエピソードを語る河内さん>


館内を散策し気になったものを測量野帳にスケッチ。表紙が堅いので立ったままスケッチしやすい
<館内を散策し気になったものを測量野帳にスケッチ。表紙が堅いので立ったままスケッチしやすい>


同じものをスケッチしても、見るポイントやタッチが人によって全く異なるのが面白いです
<同じものをスケッチしても、見るポイントやタッチが人によって全く異なるのが面白いです>



最後は皆で作品を見せ合います
<最後は皆で作品を見せ合います>


 河内さん曰く、450冊超の測量野帳はイコール「自分史」とのこと。魅力的な河内さんの人生をぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。

展覧会【進化する「野帳」 考古学者 河内一浩の記録生活】

開場:東北リサーチとアートセンター(TRAC)
仙台市青葉区大町2-3-22 第五菊水ビル3階

日程:金・土・日・祝のみ開室
2019年2月22日(金)~4月29日(月・祝)13:00~20:00

入場料:無料
《sakurada》

関連記事

文房具 アクセスランキング

  1. ノートを仕事用に「武装」する~ノートカバーの地味な進化~

    ノートを仕事用に「武装」する~ノートカバーの地味な進化~

  2. クリヤーホルダーをちょっと固くしたらこんなに便利!ハードクリヤーホルダー<モッテ>でキレイに働く

    クリヤーホルダーをちょっと固くしたらこんなに便利!ハードクリヤーホルダー<モッテ>でキレイに働く

  3. 【2018ダイアリー診断】シゴト手帳は働き方にあわせて選ぶべし♪

    【2018ダイアリー診断】シゴト手帳は働き方にあわせて選ぶべし♪

  4. 鉛筆のような書き心地で鉛筆以上の使いやすさ”鉛筆シャープTypeMシリーズ”

  5. みんなメモ帳を何に使っているの?気になる職業の方に聞いてみた【後編】

アクセスランキングをもっと見る

特集